House in Horikoshi

近年、土地区画整理事業がおこなわれ今後10年程度の歳月をかけ様々な開発がおこなわれる地域の少し奥まった昔からの家屋が立ち並ぶ住宅街。
この地域で多く見られる道路幅が極端に狭いこと、老朽化した木造家屋が密集した地域に近年空き家や建物の老朽化により建物の解体、新築が盛んになってきており新しく生まれ変わっていくだろう地域でもあります。そんな地域柄の奥の奥に敷地は位置します。

家族構成は夫婦、こども園へ通う幼い姉妹の4人家族。こどもの成長と共に日々の時間が楽しく、豊かになる空間を計画しました。建主から1番初めにでてきた要望は、車を3台駐車できるスペースの確保。そして、駐車スペースから建物まで雨に濡れずに行けるアプローチ。

計画は駐車スペースの配置計画からはじまりました。

アプローチとなる部分は木造でありながら駐車スペースを確保するため屋根を木造でありながらキャンチレバーにしホームコネクターを採用した。
駐車場配置から導かれたキーワード【集いの場】このキーワードを難しいことは考えずシンプルに計画していきました。
週末には建主の姉妹家族や親、またこどもの通うこども園が近いことから多くの人々が集まる場となります。集いの場と並行して人と人の導線もシンプルに。プランは1階には柱や壁を最低限にし大きな1室の空間としています。LDKそして状況に応じて様々な場となるフリースペースをとっています。玄関という玄関はなく、扉をあけると直ぐに1番の集いの場、そして生活の中心の場であるLDKへ直結します。また、第二の集いの場へと変化する駐車場スペースはこどもの遊び場やバーベキュー会場へとなり、デッキテラスを1クッション挟みLDKへの第2の玄関となります。
アイランドキッチン+ダイニングテーブルを空間の中心に配置し、キッチンを取り囲むように、外部と内部の空間を繋ぐよう人々の回遊性を生み出します。リビングは標準FLより+700 ダイニングテーブル天板とフラットにすることにより空間の連続性。また天井の高さが必然的に変わる事で空間の変化をもたらせます。リビング床を+700にしたことにより、生活の最重要拠点となるキッチンに立つことが多い家族の核の奥さまとリビングで遊ぶこども達、そしてリビングで寝転ぶ事の多い旦那さま。キッチンとリビングでの目線の高さがほぼフラットになりより会話も生まれてきます。人々が集う時は、リビングへあがる4段の段が座る場となり、ものを置く場と変化し連続する空間を繋ぐ役割を果たします。空間の途中に段をつくるという一見はデメリットとなりうる場をより良いメリットを生み出す場へとなる配置しました。またリビング床を+700にすることにより、外部へ続くデッキテラスも外周部からは高い位置となり塀の役割を果たし、第二の集いの場となる駐車場スペースと道路からの目線を遮断しプライバシーを確保することが可能になります。2階はシンプルに家族の完全プライバシー空間になりうる、寝室、こども部屋、洗面室、風呂を配置しました。軒の深さを寝室→子供部屋→洗面室と少しずつ浅く変化をつけるようしています。南側に面し日中光が差し込みながら、2階の中で一番落ち着ける寝室の軒を一番深く、2階の中で一番光が欲しい洗面室の軒を一番浅くし光の差し込む量を調整しています。

                                                                                                                               ※ photo by Toshiyuki Yano



        広島を拠点に全国で住宅設計、リノベーション、店舗設計     

               など幅広く設計をさせて頂く広島の建築設計事務所