広島の熊野町で古き良き素材と新しき良き素材を融合させた古民家リノベーション

広島の熊野町で現在施工中の古民家リノベーションの様子です。古民家という独特な雰囲気を醸しだす木々、そしてダイナミックな丸太。年月を経て魅力を引き立てる木空間の中に、新たに導入する階段や扉などはあえて木とは違う異種材。木と鉄を融合させることでお互いの良さをより強調しあえている空間となっています。鉄で製作した螺旋階段はひとつの顔となっています。

建物を用途、導線に応じて2分割し、2分割した廊下なる部分、そしてエントランスは既存の床を落とし土間空間としています。この土間空間は室内でありながら外部のような気配さえ感じ取ることのできる通り庭的な意図があります。壁には外壁のような鎧張りの木を貼り、照明器具は天井に取り付けて、天井から光をあてるのではなく壁からの光源のみとし、より一層の通り土間空間を施工していきます。

古民家リノベーションの場合、こだわりすぎるととても膨大なコストがかかってきます。デザインにこだわるのか、設備機器にこだわるのか、または断熱関係にこだわるのか。コストの範囲内でどこにこだわるのかをしっかりとお施主様と共に定めていくことが必要だと思っています。時には何も手を加えなくても、そこには立派な空間の古民家があります。そこから如何に理想の空間にしていくか。

古民家の独特な雰囲気を継承してそのまま木質空間へとリノベーションするのも良いですし、あえて異種材である鉄を加えてみたり、床にはカーペットを敷いてみたり、時には照明器具にシャンデリアを選んでみたり古民家リノベーションもちょっとしたひと手間工夫を加えるだけでまた違った魅力ある空間へと生まれ変わります。

個人的に古民家リノベーションの空間に例えば、床でいうとクッションフロアやフロアタイル。そしてプリント柄の複合フローリング。壁や天井で言うとクロスやこちらもプリント系の素材などは古民家リノベーションには似つかわしくないと思っています。多少の経年変化を催す自然系素材が1番だと思います。コストを抑えながらも工業系製品ではなく自然系素材をコストを落とす工夫をしながら丁寧にしっかりと使用することでこの古民家リノベーションの空間がより一層引き立てられ、魅力をました空間へとなっていくのではないかと思っています。


        広島を拠点に全国で住宅設計、リノベーション、店舗設計     

               など幅広く設計をさせて頂く広島の建築設計事務所